特定非営利活動法人自殺防止ネットワーク風
僧侶として自殺対策に取り組む


お寺を開かれた場にしたい


 自殺防止ネットワーク風は、理事長である千葉県長寿院の篠原鋭一さんを中心に、全国の寺院が宗派を越えて自殺防止の相談窓口を開設して、自殺志願者や遺族悩みに向き合っています。村上市の野田尚道さんも篠原さんの思いに共鳴し、住職を務める東岸寺に新潟相談所を開設しました。

 保護司や民生児童委員としても活動し、地域とのつながりを大切にする野田さんにとって、自殺は大きな課題です。檀家が自殺するケースや、悩みを持つ人の多さを感じる中で「寺院はいつでも相談に来たり、気軽に立ち寄れる場として、地域に開かれていなければならない」と考えているそうです。自殺を考える人や身近な存在を亡くした人からの相談、お寺を訪ねて来る人との交流や手紙のやり取り。1度の電話相談だけの人もいれば、自然と連絡を取り合うようになる相談者もいます。



仏教者だからこそ向き合える人の死


 野田さんは自身が僧侶だからこそ、自殺を意識する人の心に寄り添えると言います。「僧侶という存在は人の死に一番近い存在。だからこそ、生きている人と関わり、最期のときにいい人生だったと思えるような生き方を見つけてほしい」。

 野田さんの呼びかけもあって、新潟県内で自殺相談の窓口を担う寺院が増え始めています。将来は地域ごとの寺院が連携し、自殺対策に取り組む道も模索しているそうです。「私の活動が自殺防止につながっていれば、本当にうれしい」と野田さんは語ります。

寺院内の表示板。「お寺はオアシス。畏れをなくし、安心を与え、幸せを祈り、住みよい人間関係をつくる」
寺院内の表示板。「お寺はオアシス。畏れをなくし、安心を与え、幸せを祈り、住みよい人間関係をつくる」