なぜ生きるってなぁ。
俺にもまだ分からんなぁ。

映画ってのはフィルムに残せば、長い間そこにあるもんだ。でも、面白いのは、同じものを観たって、そのときの感情とか自分の状況で感情の揺さぶられ方が違うんだよ。俺はそれを『記憶の再生産』って呼んでるんだけど、それは自分自身の中で湧き起こるもんなんだよ。「死にたい。」って気持ちもそうだろう。現代社会ってのは、生きるのには過酷になってきたよな。だけど、「昔は良かった。」なんてこともないんだよ。ヨイトマケじゃないけど、その時代、時代でキツいってことがあるんだ。まぁ、若い人を見てると大変だって思うことはあるよ。インターネットっていう不確かな網の中で、時間に急かされて、電波を追って、聞かなくてもいい情報に右往左往させられてる。「死にたい。」って思うことは自分の中で起こる感情の昂ぶりだろう。だけどさ、刻々と変化する『記憶の再生産』を感じてみないか。死ぬことじゃない再生産が見えてくるかも知れねえからさ。

齋藤正行

新潟市民映画館
代表取締役