【開催報告】第2回小規模多機能自治勉強会「小規模多機能自治を知ろう! ~行事から事業へ、スーパーコミュニティーを見据えて~」

2014年5月12日、第2回小規模多機能自治勉強会「小規模多機能自治を知ろう! ~行事から事業へ、スーパーコミュニティーを見据えて~」が新潟ユニゾンプラザにて開催された。

 

講師は、島根県雲南市をはじめとした多くの自治体において、上記「小規模多機能自治」を推進している、IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表の川北秀人氏。

行政職員、市民団体・NPO関係者、議員、自治組織関係者、福祉関係者など、多様な分野からの参加があり、定員の40名を超える満席となった。

 

この講座は、小規模多機能自治(小学学校区域の単位で地縁組織を再編し、より若い世代や女性など幅広い世代が関わり、生活の維持や福祉、楽しみの実現、産業振興など様々な活動を行う仕組み)の現状を学び、参加者それぞれのフィールドにおける取り組みを考える機会とすることを目的として実施された。

 

「協働から『総動』へ。本来の協働の在り方とは、1対1の業務・責任分担ではなく、多様な主体により推進するもの。定義も進め方も抜本的に見直す必要がある」「小規模多機能自治とは、住民が主体的にできることのメニューを増やしていくということ。行事・活動から事業へ、そして団体自治偏重から住民自治充実へ、総動をどう促していくかが重要」

これらのコメントは、安易に使われがちな「協働」という言葉の本来目指すべき姿、小規模多機能自治の在り方を考える入り口として、講師から参加者に投げかけられたものだ。

その後も島根県雲南市などの事例を交えつつ、詳細なデータ分析に基づく明快で具体的な講義が時間一杯まで展開された。

講義終了後、感想や行動計画などを参加者同士でシェアする時間が設けられ、それぞれの現場でどのように取り組んでいくかなど、活発な意見交換が行われた。

また、参加者からの「自分の地域でできることがまだ具体的に見えないのだが、まずどのように手をつけていけばよいか?」という質問に対し、「まずは現実を知っていただくということが必要。現状分析や推計によって具体的な将来像が見えてくることにより、自分事として地域を考えて行動することにつながる」とのアドバイスもあった。

 

昨今、「自治体消滅」のニュースが世間を騒がせているが、人口減少・少子高齢化や産業衰退等の課題を抱える地域が多いなか、リアリティのある示唆に富んだ学びの場であった。講義の随所に込められた講師のメッセージが、参加者それぞれのフィールドで活用され、「総動」そして「小規模多機能自治」への取り組みが進むことを期待したい。

 

新潟NPO協会では、今後本テーマに基づく自主勉強会の開催も検討している。